<リハ職・リハビリ学生向け記事>『clinical reasoning編』客観的評価について 〜理学療法評価の時に押さえておきたい12のポイント〜




こんにちは。

今回は、久しぶりに『clinical reasoning』編です。

最近尾記事しか見ていない人からしたら、珍しい記事になりますね。

こっちが本業(のはず)の記事なんです。。。笑

 

さて・・・前回は『主観的評価(問診)』についての記事について書きました。

clinical reasoning  これだけ知っておけば完璧?~主観的評価(問診)について~

 

なので今回は、『客観的評価』について書きたいと思います。

客観的評価って言われてどんなものかイメージできますか?

難しく考えないでください。

普通の理学療法評価・・・普段自分が行っている評価のことですからね!!!笑

では皆さん、普段どのような客観的評価を行っているでしょうか?

自分の好きな評価ばかりしていないですか?

好きな評価とは、筋肉なら筋肉、神経なら神経、関節なら関節みたいな、そればかりが結果として見えてきてしまうような評価です。

または、手技に偏った評価も好きな評価に入ると思います。

PNF、パリス、筋膜、メイトランド、マリガン、サーマンなど・・・

色々あると思います。

それぞれに良い面があり、足りない部分があると思うので、どれが良い、どれが良くないというのは全くありません。

むしろ全部できれば、より良いのは間違いありません。

それぞれの弱い部分をそれぞれが補えれば最高だと思うのですが・・・

その中でまず評価は基本的なこと押さえないといけないと思うので、まず基本的な客観的評価と言うものを知ってもらえればと思います。

 

客観的評価の計画


先に説明した主観的評価と客観的評価は、それぞれ独立したものではなく、全体の評価の一部として連続性、相関性を持ち、それを統合することが重要です。

ある程度ルーチンは必要ですが、患者さん個々にしっかり考慮し、評価項目を検討する必要があります。

症状の部位から

  • その痛みの部位にはどんな組織があるのか?
  • その部位に症状を放散させる可能性のある組織は?

症状の性質から

  • 損傷が考えられる組織を推定し、その組織にストレスもしくはストレスを取り除く評価を考える。
  • 重症度から、評価を制限する必要があるかどうかの決定
  • 予後決定因子との関連を考える

禁忌事項に関する情報から

  • 損傷組織の推定とそれに対しての評価項目
  • 評価の量的な制限と質的な制限
  • Red Flags:生命に関わるような身体的問題
  • Yellow Flags:症状に対する心理的影響
  • Blue Flags:業務的な問題や制限
  • Black Flags:制度的要因

評価を制限する必要があるかどうかというのは、、その評価を行うことで、患者さんの症状が増悪しないかどうかということです。評価で症状が増悪してしまうと、評価を正確に行えないばかりか、信頼関係もうまく気付けなくなる恐れがあります。

なので評価を計画した際、以下の項目も検討し、更に修正・制限していく必要があります。

  • 症状の重症度
  • 症状に対する過敏性(irritability)
  • 疾患が進行性か
  • 特定の病理所見は?
  • 症状のメカニズム
  • 禁忌事項に関する情報
  • 病態は明確か?
  • 患者の治療経験(悪化の経験)

これらの影響を考慮した上で、評価項目を決定していきます。

もし、評価を行っている最中に、予測と異なる結果が生まれたのであれば、速やかに修正・変更することが重要になってきます。

 

スポンサーリンク



客観的評価の時の12のポイント


では実際にどのような客観的評価を行うのかみていきたいと思います。

  1. クイックテスト
  2. 姿勢観察
  3. 触診
  4. 自動運動テスト
  5. 生理的他動運動テスト
  6. 抵抗運動テスト
  7. 他動的副運動テスト
  8. Movement diagram
  9. 神経学的テスト
  10. 神経動的テスト
  11. 疾患特有の冠テスト
  12. 脈管系のテスト

こんなとこでしょうか?

番号が降ってありますが、この順に評価を行うのではないので注意してください。

この評価項目ももしかしたら偏ったものになっているかもしれません。

これ自体は僕が恩師から教えていただいたものです。

ただ、これらが網羅できれば、そこからいくらでも派生させられるのは僕自身がやっていて感じている所です。

もちろん全部やれれば一番良いのですが、それは時間的には難しいので、選定して行っていく必要があると思います。

後もう一つ。

再現可能な兆候(comparable signs)を見つけることです。

治療を行っていく時にこのサインが決まっていると、それをみることによって治療効果があったのか、なかったのか知ることが出来るからです。

では一つずつどんなものか説明していきたいと思います。

1.クイックテスト

症状を素早く再現するための検査です。

だいたいはこれによりcomparable signを決定します。

基本的には、主観的評価で得られた症状増悪因子を使って行います。

しかし、注意しなければいけないのはirritable、要するに『過敏』な状態の時です。

イリタブルな時に、無理に症状を再現しようとすれば、当然その後の評価全てに影響を及ぼしてしまいます。

なので、そのような状態の時は、やらないか、評価の最後の方にクイックテストを行うようにします。

 

2.姿勢観察

代表的な姿勢観察を行います。

  • 骨のランドマーク
  • 筋の膨隆などの異常性
  • 左右差
  • 全体のアライメント

これらをよく観察します。

姿勢の変化や不良姿勢が確認された場合、これを修正することで症状が再現されるか確認します。

再現された場合は、その姿勢は疼痛回避姿勢であるという仮説が立てられます。

また患者自身で姿勢を修正することが出来るか確認することにより、姿勢に対する患者の認知の程度を知ることが出来ます。

姿勢観察の詳細なポイントについては以下に書きました。

姿勢評価を行う時に考えること〜知っておくべき6つのポイント〜

 

3.触診

触診によって以下の情報が得られます。

  • 皮膚温、発汗状態
  • 圧痛や感覚過敏(allodynia、hyperalgesia)
  • 局所組織もしくは関節の腫脹
  • 筋緊張
  • 骨の異常性
  • 骨のアライメント
  • 軟部組織の肥厚、硬さ、腫脹
  • 末梢神経周辺の過敏性の変化
  • 脈管系の異常

他動運動などの評価を行うことで、触診で得られる評価情報が変わってしまう恐れがあるので、可能であれば他動運動などのテストよりも先に触診を行うのが理想的。

しかし、触診は患者さんに触るという行為です。触られることによる不快感を伴う可能性があります。なので、十分な理解が得られたことを確認する必要があります。

圧痛もあったからといってその部位に原因があるとは限りません。その部位に圧痛をもたらす可能性のある組織(関連痛、放散痛)を十分に考慮する必要があります。

自律神経の異常などで痛みが増幅しているような患者さんは、持続的に触れることで痛みを増幅させる可能性があるため注意が必要です。

 

4.自動運動テスト

自動運動は他動運度の前に行うのが一般的です。

自動運動における可動域と運動の質を確認し、症状の再現と異常運動性を見いだします。

疼痛がなく可動性に問題がなければ、最終域の所でoverpressureを加えて、終末感覚(end feel)と症状の再現を確認します。

終末感覚については後日掲載しようと思います。

必要に応じて、速く動かしてもらったり、連続して動かしてもらったり、最終域で保持してもらうなど変化も加えたりします。

姿勢観察と同様で、左右を比較することが大事になってきます。

真っすぐ動かしているか?身体のどこかで代償しながら動かしていないか?等もポイントとしてみる必要があります。

また、いくつかの運動要素を組み合わせた複合運動(combined movements)を行わせることで、より多くの情報を得ることが出来ます。

HBB(hand behind back:肩伸展・内転・内旋の複合運動)これで痛い場合、どの要素で痛みが強く出るのか、それぞれの動きを分けてoverpressureを加えて疼痛を確認する場合もあります。要するに、手を背中に持っていき痛みのある手前で止めてその場所で伸展・内転・内旋のそれぞれに分けて動かします。

 

5.生理的他動運動テスト

いわゆる他動運動テストになります。

各関節の生理的な運動を他動的に動かし、その可動域と症状の再現の有無を評価します。

可動域を評価するだけでなく、患者の主観的な訴え(疼痛や関節の動く感じなど)、運動中に検者が感じる抵抗感などの運動の質の評価をすることでより多くの情報を得ることが出来ます。

 

6.抵抗運動テスト

MMTに近い評価になると思います。

筋肉に対して抵抗を加えて、筋力の評価をします。

筋収縮によって症状が再現されるかどうかを確認します。

また神経学的な検査の一つとして、デルマトームにそって力がしっかり入るかどうかを診ることで、神経の問題がはらんでいないかを評価することも出来ます。

関節運動の筋動員パターンを確認することも大事になります。

例:股関節伸展・・・殿筋収縮後に対側の腰部の筋肉の収縮が起きるかどうか?

関節の角度によって確認できるポイントも変わってきます。

  • mid-range:その筋にとって最も力の入れやすい肢位での抵抗運動テスト
  • inner-range:mid-rangeよりも短縮位での抵抗運動テスト➡関節に対するストレス増
  • outer-range:mid-rangeよりも伸張域での抵抗運動テスト➡筋に対するストレス増

 

7.他動的副運動テスト

副運動とは、自動運動および生理的他動運動時に関節内で生じている運動をさします。

関節運動を行うためには関節の遊びというものが必要になります。それがjoint playです。

その遊びが最もある状態を緩みの肢位(least packed position)と言います。逆にその関節の遊びがほとんどない、関節が圧縮を受けた状態を(close packed position)と言います。

*least packed position、 close packed positionについては以下に記載してあります。

least packed position(緩みの肢位):LPPとclose packed position(締まりの肢位):CPPとは?〜関節の動きを考える上で知っておくべきこと〜

この関節の遊びが硬くなりすぎていないか、緩みすぎていないかを評価するのが副運動の検査です。

副運動検査は本人の意思で行うことは困難であり他動的に行われます。

関節運動学的な原則に則り、滑り(slide、glide)・転がり(roll)・回転(spin)・離開(distraction)・圧迫(compression)のそれぞれの成分について評価・治療を行います。

この評価は、数値的に確認・表現することは困難です。なので、左右差を比較したり、隣接の関節との関連から推察する必要があります。

この評価を行うためにはある程度熟練が必要になってくるので、まずは色々な人の関節の動きに触れてみてください。

 

8.Movement diagram(運動ダイアグラム)

この評価は、他動運動(生理的他動運動、他動的副運動、神経動的テストなどの他動運動検査全て)の結果を視覚的に表現するものです。

基本的な書き方はこんな感じです。

  • R:セラピストが感じる抵抗感
  • P:患者が感じる疼痛や不快感
  • L:関節可動域
  • A:運動開始肢位
  • B:正常関節可動域
  • AC:抵抗量、疼痛量など
  • R1:抵抗感の始まり
  • R2:抵抗による可動域制限
  • P1:疼痛や不快感の始まり
  • P’:最終可動域での疼痛量(VAS/NRS)

これらをダイアグラムに記載して、他動運動における可動域と運動の質を表現します。

症状の経過を追うのに使ったり、セラピスト同士の関節運動の『感覚』を伝え合う道具として用いることが出来ます。

また関節モビライゼーションを行う時のgradeを決める時の指標にもなります。

  • grade Ⅰ:可動域の開始位置の近くで、抵抗感やスパズムが出現しない小さな振幅運動
  • grade Ⅱ:可動域の開始位置の近くで、抵抗感やスパズムが出現しない大きな振幅運動
  • grade Ⅲ:抵抗感やスパズムの中に入っての大きな振幅運動
  • grade Ⅳ:抵抗感やスパズムの中に入っての小さな振幅運動

マイナスやプラスなどの記載もありますがこの辺の詳細な記載は後日 movement diagram編としてupしようと思います。

 

9.神経学的テスト

運動器の疾患であっても神経学的変化が存在していることがあります。

検査結果から必要であれば、知覚テスト深部腱反射MMTなどを行って、神経原性の問題が含まれていないか評価します。

また、末梢神経を触診することで、その感受性(sensitivity)を確認することも重要な評価になります。

 

10.神経動的テスト

神経は頭部から四肢の末端まで連続性を持つ唯一の組織です。拘縮などで神経が長期間の間短縮位におかれた場合、神経は伸張性や滑走性を損なう可能性があります。

また、外傷や骨棘などにより神経の拘厄されることで、神経の伸張性や滑走性が失われ、関節可動域の低下を引き起こす場合もあります。

下記のテストはその代表的なテストになります。

1.上肢の神経動的検査: Upper Limb Neurodynamic Test(ULNT)

  • ULNT1:正中神経
  • ULNT2a:正中神経
  • ULNT2b:橈骨神経
  • ULNT3:尺骨神経

2.脊柱および下肢の神経動的検査

  • 下肢伸展挙上(Straight Leg Raise:SLR)
  • 他動的頚部屈曲(Passive Neck Flexion:PNF)
  • 腹臥位膝屈曲テスト(Prone Knee Bend:PKB)
  • スランプテスト(SLUMP test)

 

11.疾患特有の冠テスト

疾患特有の冠テストとは、special testのことです。

この辺は特に現場に出ることが多い人は、知っておく必要がある項目だと思います。

もちろん現場でなくても、先生のカルテに記載されていることもあると思いますので、そのテストが何の疾患を鑑別するために用いられたのか、知っておく必要があると思います。

この辺は時間があればまとめたものをアップしたいと思います。

 

12.脈管系のテスト

一番大事になるのは、胸郭出口症候群のテストかと思われます。

このテストもスペシャルテストの部分で後日アップします。

 

スポンサーリンク



 

最後に


いかがでしたか?

今回は基本的な評価について書かせていただきました。

どれもそれほど特殊なものではないので、ちょっと自分の行っている評価と比較してみてください。

もちろんこれに、色々な手技ベースの評価を加えることもあります。

とにかく大事なのは、自分のベーズをしっかりさせておくことだと思います。

これから臨床に出る方、今現在出ている方など色々な人がいると思いますが、自分が行っている評価に何か足りないものがあるかな?と思った時は、少し参考にしてみてください。

また後日アップしますと書いたものは少しでも早くアップするように頑張ります。笑

最後までお読みいただきありがとうございました。

 


理学療法ランキング

にほんブログ村 病気ブログ 理学療法士・作業療法士へ
にほんブログ村





コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です