<リハ職・リハビリ学生向け記事>姿勢評価を行う時に考えること〜知っておくべき6つのポイント〜




こんにちは。

今回は姿勢観察を行う時に考えることについて書こうと思います。

姿勢観察は、客観的評価の際に必ずみると思います。

皆さんはどのようなポイントで姿勢を診るようにしていますか?

人それぞれ見方はあると思います。

今回書かせていただくのはあくまで個人的なものなので、こういう見方もあるんだなー。とかまだあまり姿勢観察が得意でない人なんかは、一つの知識として知っておいてもらえると、良いかもしれません。

客観的評価の記事を見てない人はこちらからどうぞ。

『clinical reasoning編』客観的評価について 〜理学療法評価の時に押さえておきたい12のポイント〜

では、本題に入っていこうと思います。

 

姿勢観察で大事なこととは?


まず大事なのは、肩なら肩、膝なら膝とか局所を見るのではなく、しっかり全身の状態を把握するということです。

肩の障害でも、肩だけでなく他の部位から影響を受けていることがあります。

もちろん肩以外の部位もそうです。

なので、常に全身の状態を把握するというのをまず一番最初に覚えておいてください。

 

いつ見るのが良いか?


ではその姿勢をいつどのように診るのが一番良いでしょうか?

  • 待ち合い室で座っている姿
  • その人を読んだ時に立ち上がる姿。
  • リハビリ室に入ってきて治療台まで歩いてくる時の姿。
  • 問診で話を聞いている時の姿

最初患者さんの姿勢を診る場面としてはこんな所でしょうか?

半分くらい動作分析もかねてますね。

待ち合いで座っている姿は、普段その患者さんが無意識にしている姿だと思うので参考になりやすいです。

次に理想的な姿勢とはどのようなものか考えてみましょう。

 

理想的な姿勢とは?


一番基本的な基準となるのが、重垂線になります。

重垂線は、前額面では 正面と後面があります。

  • 正面:鼻尖・胸骨柄・剣状突起・へそ・恥骨結合・両膝蓋骨間の中央・両側内果中央
  • 後面:外後頭隆起・脊柱・骨盤の中央・両下肢および両踵間の中央

矢上面(側方から)では、

  • 耳垂・肩峰・大転子・膝前方・外果前方

これらを一直線で結んだ線を重垂線と言います。

この重垂線が一直線であれば、理想的な姿勢に近い形になると思います。

逆にこの重垂線から逸脱している割合が大きければ不良姿勢に近いと考えられます。

こちらの図は側方から見た重垂線が一直線の理想的な姿勢です。

 

不良姿勢の原因は?


では不良姿勢の原因はどのようなものがあるでしょうか?

これは、機能的な要因と構造的な要因があります。

  • 機能的な要因:生活習慣や筋肉の要因、疼痛によるものなど
  • 構造的な要因:先天的なもの、発達の問題、外傷や疾病によるものなど

原因を考える際はこのような要因を考慮に入れる必要があります。

 

体型の発生学的特徴


また姿勢を観察する時に体型の発生学的特徴を考慮する必要があります。

外胚葉型(ectomorph)は細身で外胚葉起源の器官が発達しており、内胚葉型(endomorph)は脂肪が発達して太めの体型で内胚葉起源の器官が発達している。中胚葉型(mesomorph)は中間的な体型で、筋・骨格系など、中胚葉起源の器官が発達している。このような体型の特徴は神経金骨格系の携帯と機能に関連深いため、推論の参考になる場合があります。

外胚葉型 ectomorph(虚弱型 asthonic)

  • 皮膚
  • 筋と皮下組織は少なく、消化器系の発達がわずか
  • 身体特性:関節は小さく平坦、筋腹の発達が小さく、相対的に体重は少ない

中胚葉型 mesomorph(闘士型 athletic)

  • 筋、骨格
  • 筋が隆起し、骨格、結合組織が発達している。
  • 通常、輪郭が角張っていて重く硬い体格
  • 外胚葉型と内胚葉型の中間の特性

内胚葉型 endomorph(肥満型 pyknic)

  • 消化器系
  • 体全体が丸く柔らかい感じで、消化器系が発達している
  • 脂肪が発達し、体幹と大腿が大きく、四肢は先細になっている。
  • 通常、運動巧緻性がが低い
  • 身体特性:関節は凹凸が大きく安定、筋腹は発達、外胚葉型より短い。

 

3つそれぞれの特徴は以上になります。

もし評価の時に考える時間があれば少し考えてみると良いかもしれません。

 

では次に姿勢の中で代表的な不良姿勢について紹介していこうと思います。

 

代表的な不良姿勢


ここでは3つの代表的な不良姿勢について紹介しようと思います。

後弯前傾姿勢:kyphosis-Lordosis posture

胸椎後弯と腰椎前弯が強く、骨盤が前傾し、その結果として股関節は屈曲しています。

この姿勢は日本人にあまりいないと言われている姿勢です。

どちらかと言えば女性に多く、ヒールを履いた女の人のような姿勢です。

頭部:前方

頚部:上部で過伸展

両肩甲骨:外転位

胸椎:屈曲(後弯)増強

腰椎:伸展(前弯)増強

骨盤:前傾

股関節:屈曲位

膝関節:軽度過伸展

足関節:下腿が後方に傾斜しているため、軽度底屈位

短縮した強い筋:頚部伸筋、股関節屈筋

*下部腰椎は強く短縮している場合としていない場合があります。

伸張した弱い筋:頚部屈筋、上部脊柱起立筋、外腹斜筋

*ハムストリングスは軽度伸張位であるが弱化している時としていない時があります。

腹直筋は、胸部が下制しているが、骨盤も前傾しているため相殺され、必ずしも短縮しているとは限りません。

立位で前弯が強くても座位になると股関節屈筋が短縮位となり、腰部の筋が伸張されます。この組み合わせにより、股関節屈筋の短縮と腰部金の短縮とは関連が少ないです。

 

後方変位の姿勢:Sway-Back posture

胸椎から腰椎にかけて長い後弯があり、腰椎前弯は平坦化し、骨盤が後傾、上部体幹が後方へ変位しています。

頭部:前方

頚部:軽度伸展

胸椎:屈曲増強(長い後弯)

腰椎:下部腰椎屈曲(平坦化)

骨盤:後傾

股関節:骨盤んお前方変位に伴い過伸展

膝関節:過伸展

足関節:中間位

*膝関節が過伸展すると通常足関節は底屈位となるが、骨盤が前方へ変位しているために中間位となっています。

この姿勢は、骨盤を後傾させながら前方へ動くことで、股関節を伸展させて下肢を安定させています。これにより、下肢を後方へ伸展することで骨盤を安定させ平衡を保とうとしています。骨盤が後傾しているために腰椎は平坦化し、前弯がなくなり、胸腰椎部に長い弯曲となり、しばしば前弯と間違えることがあります。

 

平背姿勢:Flat-Back posture

上部胸椎が屈曲位を増しているが、下部胸椎は平坦になり、腰椎も屈曲位で前弯がなくなり平坦になっています。

頭部:前方

頚部:軽度伸展

胸椎:上部は屈曲が増強、下部は平坦

腰椎:(軽度)屈曲

骨盤:後傾

股関節:伸展位

膝関節:伸展位

足関節:軽度底屈

短縮した強い筋:ハムストリングス

伸張した弱い筋:股関節屈筋

腹筋は強いことが多い。正常な前弯はなくなり、背筋が少し伸張されているが、弱くはない。膝は平背姿勢では時に過伸展ではなく、むしろ軽度屈曲位になっている場合もあります。

これら3つの代表的な姿勢があります。基本的には、それぞれに特徴があるのですが、3つの姿勢に1つだけ共通の特徴があります。

それは、首が前に出ていることです。

日本人の生活様式が元来和式なのが影響しているのか、胸椎が後弯し、頚部が前方に出ている姿勢というのは、非常に多くの人に見られています。

このような姿勢の特徴がある人は、肩や腰や膝などを痛めやすくなります。

 

では次に実際に姿勢観察を行う時の見るべきポイントについて後方・前方・側方にわけて説明したいと思います。

 

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姿勢観察のポイント


1.後方から

・脊柱のアライメント

  • 頭部と頚部の関係
  • 頚部と胸部の関係
  • 全体のアライメント
  • 側方変位(lateral shift)の有無
  • T1と肩峰の高さ(肩峰が約2㎝下)

・肩甲骨の位置

  • 外転位/内転位(正常:脊柱から5〜6㎝)
  • 挙上位/下制位(正常:T2〜T7、肩甲棘はT3)
  • 上方回旋/下方回旋(正常:肩甲骨内側縁がほぼ垂直)
  • 前傾 /後傾(正常:胸郭と一致)

・上肢の位置

  • 内旋位 /外旋位
  • 回内位/回外位
  • 内転位 /外転位

・骨盤帯の位置

  • 腸骨稜の高さ(左右差)
  • 上後腸骨棘の左右差
  • 骨盤の回旋

・下肢の肢位

  • 殿皺の左右差
  • 膝皺の左右差
  • 股関節内旋位/外旋位
  • 股関節内転位 /外転位
  • 下腿回旋位 /外旋位

・重心の位置

  • 重心の側方変位および他の異常性との関連性

・筋のボリューム

  • 脊柱起立筋
  • 肩甲挙筋
  • 棘上筋
  • 棘下筋
  • 僧帽筋上部線維
  • 僧帽筋中部線維
  • 僧帽筋下部線維
  • 大・小菱形筋
  • 小円筋 ・大円筋
  • 三角筋
  • 広背筋
  • 大殿筋
  • 中殿筋(特に後部線維)
  • ハムストリングス
  • 下腿三頭筋
  • アキレス腱

2.側方から

・脊柱のアライメント

  • 頚部と胸部(頭部前方突出)
  • 胸椎のカーブ(後弯、局所的な前弯や平坦化の有無)
  • 腰椎のカーブ(生理的前弯の増加 /減少)
  • 骨盤の前後傾
  • 大転子の位置
  • 大転子と膝関節の関係
  • 膝関節と外果の関係
  • 肩甲骨の前方突出(protraction)

3.前方から

・脊柱のアライメント

  • 頭部と頚部の関係

・肩甲帯

  • 挙上位 /下制位
  • 鎖骨の位置と角度
  • protraction/retraction
  • 上腕骨の回旋/肩甲骨関節窩に対する上腕骨の位置

・筋のボリューム

  • 胸鎖乳突筋
  • 斜角筋群
  • 広頚筋
  • 大胸筋 /小胸筋
  • 僧帽筋上部線維
  • 腹筋群
  • 中殿筋
  • 大腿四頭筋
  • 前脛骨筋

全体的にこのようなポイントで見ると良いです。

もちろん全体が見られれば良いですが、最初は気になったポイントとその周辺というように少し分けながら見てみるとわかりやすいです。

 

最後に


いかがでしたか?

大事なのはこれを見ることで、その姿勢がなぜ作られるのか?

これを、その他の客観的評価と比較して考えることが大事になってきます。

姿勢観察をする時の参考にしてみてくださいね。

 

その他の客観的評価の項目はいかに説明してあるので覗いてみてください。

『clinical reasoning編』客観的評価について 〜理学療法評価の時に押さえておきたい12のポイント〜

最後までお読みいただきありがとうございました。


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