<リハ職・リハビリ学生向け記事>複合性局所疼痛症候群(CRPS)とはどんなものなのか ~異常な痛みを訴える方はこれが原因かも?~




こんにちは。

今回は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)について紹介しようと思います。

 

CRPSとは、骨折などの外傷や神経損傷がきっかけで発症する慢性疼痛症候群です。

軽く触っただけで痛いとか症状部位が異常な汗をかくなどの症状がある人は、CRPSというものかもしれません。

まず、簡単にCRPSとはどういうものか紹介します。

そこから文献紹介をしていこうと思いますので、CRPSの治療に難渋されている方や、このようなCRPSでお困りの方は是非ご覧ください。

 

 

CRPSとは

 

先ほども紹介しましたが、CRPSとは、

『慢性痛の病態の1つで、外傷や神経損傷に引き続いて発症する疼痛症候群』です1)3)

 

男性よりも女性に多く発症しやすく、約3倍女性の方が多く発症しています。

アメリカでは、10万人に約5~6人に発症すると言われている非常にまれなものになります。

原因は、骨折や捻挫,手術が多く,脳卒中や心筋梗塞,自然発症例も報告されています.

一般に下肢よりも上肢に多いとされ,神経支配領域(デルマトーム)と無関係に発症し,同側および対側の四肢に広がることがあります.

一番起こる可能性が高いと言われているのが、橈骨遠位端骨折(colles骨折)とされており、発症率が7〜35%とも言われています。

 

 

症状

 

代表的な症状の特徴は、

  • 刺激に対して不釣り合いな痛み(痛覚過敏、非常に強い痛み)
  • アロディニア(異痛症)
  • 自律神経の異常(浮腫、腫脹、皮膚温・皮膚色の左右対称性、発汗異常など)
  • 運動機能障害(可動範囲の減少、筋力低下、骨委縮、手が震えるなどの振戦など)
  • 炎症・栄養異常(爪・体毛の異常成長、光沢皮膚)
  • 情動の変調(恐怖感、不安、抑うつ状態など)

このような症状が挙げられています。

 

 

診断

 

こちらは、厚生労働省のCRPS研究班から出された日本版のCRPS判定指標になります2)

A.病気のいずれかの時期に、以下の自覚症状のうち2項目以上該当すること

  ただし、それぞれの項目内のいずれかの症状を満たせばよい

  1. 皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
  2. 関節可動域制限
  3. 持続性ないしは不釣り合いな痛み、痺れたような針で刺すような痛み(患者が自発的に述べる)、知覚過敏
  4. 発汗の亢進ないし低下
  5. 浮腫

 

B.診察時において、以下の他覚所見の項目を2項目以上該当すること

  1. 皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
  2. 関節可動域制限
  3. アロディニア(触刺激ないし熱刺激による)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)
  4. 発汗の亢進ないし低下
  5. 浮腫

 

このような症状があれば、病院でCRPSと診断がつくとされています。

 

 

治療について

 

CRPSを疑う場合は早期から治療を行っていくことが重要です3)

  • CRPSの予防:ビタミンCの経口投与
  • 外用治療(経口薬や外用薬)
  • 注射・手術:議論はされているが、はっきりとした見解はなし
  • リハビリ:理学療法は疼痛軽減、機能障害の改善に有効。その他経費的電気刺激(TENS)、ミラーセラピー、水治療、温冷交代浴、浮腫治療、認知運動療法などは,機能障害の軽減と社会参加の促進に有用

 

このように治療に関しては、理学療法を受けるのが一番効果的だと考えられています。

しかし、その理学療法もしっかりと評価の元において行われなければいけません。

それについては、症例研究の文献を1つ紹介したいと思います。

<リハ職・リハビリ学生向け記事>【文献紹介】複合性局所疼痛症候群(CRPS)の治療について~なかなか治らない異常な痛みの対処方法があるのか~

CRPSというより理学療法評価について勉強になる文献です。

是非ご覧ください。

 

最後に

 

いかがでしたか?

複合性局所疼痛症候群(CRPS)について簡単に紹介しました。

 

CRPSの診断がついて、理学療法に回ってくること自体は少ないかもしれませんが、こういう情報を知っておくのと、知らないままなのとではだいぶ対応に違いが出ると思います。

なので一つの知識として知っておいていただけると幸いです。

 

また、こういう難しい症例でもしっかりとした評価を基に考えていくことが重要なので、わからなくなったら、一度基本的な評価からやりなおすことも大事になります。

問診などの評価に関してもまとめてあるので、お時間あれば是非ご覧ください。

 

clinical reasoning  これだけ知っておけば完璧?~主観的評価(問診)について~

 

『clinical reasoning編』客観的評価について 〜理学療法評価の時に押さえておきたい12のポイント〜

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考文献

  1. 松原貴子 他:pain rehabilitation,複合性局所疼痛症候群.p219-224,三輪書店.
  2. 住谷昌彦 他:本邦におけるCRPSの判定指標.日臨麻会誌Vol.30 No.3,p420-429.2010.
  3. 木村浩彰:特集疼痛とリハビリテーション 5 複合性局所疼痛症候群の診断と治療.Jpn J Rehabil Med 2016;53:610-614.

 

 


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