<リハ職・リハビリ学生向け記事>【文献紹介】疲労骨折を防ぐために!!!~女性アスリートが気を付けたい「利用可能エネルギー不足(low energy availability:LEA)」について~

こんにちは。

今回の文献は、症例報告の文献の紹介です。

 

女性アスリートの成長については、僕も含め特に男性陣は疎い人もいるかと思います。

昔に比べて女性アスリートへのサポートはしっかりしてきていると言っても認知度的にはまだまだな部分もあると思います。

 

実際僕もこのような成長期の問題がそこまで関与してくると、あまり深く考えていませんでした。

なので少しでも女性アスリートが成長期の問題でスポーツが続けられないというようなことにならないように周知していきたいですね。

 

ではどのような文献だったのか簡単に紹介していきます。

 

 

文献紹介

 

松本善企,松田貴雄:長期にわたるエネルギー利用度の低下により成長スパートが欠如し,競技復帰が困難であった女性アスリートの三主徴例.日本臨床スポーツ医学会誌:Vol.26 No.3,2018,490-495.

 

日本臨床スポーツ医学会誌の文献です。

 

疲労骨折を繰り返した女性アスリートについての症例報告です。

女性アスリートの三主徴(利用可能エネルギー不足、視床下部性無月経、骨粗鬆症)のうち、今回は利用可能エネルギー不足を特に改善点として挙げていました。

 

文献にも書いてあったのですが、実際の現場で疲労骨折を生じた女性アスリートが無月経であった場合、婦人科で利用可能エネルギー不足に対する介入を行う事が一般的になりつつあるようです。

 

これらの事も踏まえて、思春期以降の女性アスリートの治療を行う上で、知っておいた方が良い内容と感じました。

興味ある方は是非フルペーパーで読んでくださいね。

 

内容紹介

 

内容としては、陸上をしていて、複数回の疲労骨折を生じていた原発性無月経の女性アスリートを競技復帰に向けて、内科的なアプローチも含め多角的なアプローチをしたが、最終的に競技復帰に至らなかった症例です。

 

高校生の段階で、無月経で低身長であった症例に対して、利用可能エネルギー不足の改善をし、体重・骨密度共に改善したのにも関わらず、その後も続く疲労骨折を予防することはできなかったそうです。

 

実際女性の身長の伸びるピーク(成長スパート)の多くは、小学校の高学年頃から中学1年生頃が多いです。

推測ではありますが、この症例はそのピークがなく、競技を初めた小学4年生からずっと利用可能エネルギーの不足が生じていたのではないかと考えられています。

 

この文献から、症例のような、早くから活動量が多い女性アスリートに対して、思春期頃から注意して、成長を見ていくとが重要ということになりますね。

この文献は、我々のような医療関係者だけでなく、スポーツをしている女の子の子どもをもつ親御さんに是非知ってもらいたい内容です。

 

 

この論文から今後どんなことが必要か?

 

女の子ということで、なかなか聞きにくい部分であったりすると思うので、リハビリ関係者の方で、もしこのような患者さんがいるという事であれば、ドクター、もしくは親御さんに確認してみても良いと思います。

 

論文にも書いてありますが、利用可能エネルギーの不足を予防するためには、小学生高学年から中学生の段階で予防を始めないと、高校になってから生じると、解消しても疲労骨折を防げないかもしれません。

 

 

女性アスリート三主徴とは?

 

この論文に、出てくる、女性アスリート三主徴とは何か?ということでちょっとだけ説明しようと思います。

この三主徴は、

・利用可能エネルギ-の不足(low energy availability:LEA)

・視床下部性無月経(運動性無月経)

・骨粗鬆症

この3つと言われています。

 

1.利用可能エネルギーの不足

 

利用可能エネルギーというのは、食事からとる摂取エネルギーから運動により消費されるエネルギーを引いた残りのエネルギー量をさします。

要するに、運動して生じるエネルギー消費量と、食事から得られるエネルギー摂取量に釣り合っていない状態をさし、単純に身体の成長に必要なエネルギーが不足しているということです。

この状態が続くことで、通常女性に生じる月経が生じなかったり、今回の症例のように成長のピークが来なかったりする影響が生じる可能性があります。

 

2.視床下部性無月経(運動性無月経)

 

これは、これまであった月経が、3カ月以上連続で停止した状態を指します。

この運動性無月経が生じる原因は色々あり、

①low energy availability(利用可能エネルギーの不足)

②精神的・身体的ストレス

③体重・体脂肪の減少

④ホルモン環境の変化

などが挙げられます。

 

現在わかっていることは、約40%女性アスリートに、月経周期以上が見られているようです。

スポーツとしては、体操、新体操、フィギュアスケートなどの競技で高く、次いで陸上(長距離)、トライアスロンなど、体脂肪が低い傾向のある競技者に多い傾向があるようです。

 

3.骨粗鬆症

 

これは、単純に骨が脆くなっている状態の事を指しています。

10代の女性アスリートの疲労骨折の発症率が高いと言われており、月経異常のあるアスリートのほうが、疲労骨折を生じるリスクが高いこともわかっています。

無月経になることで骨量が減少することが分かっています。

 

この3つですが、2・3番目は結果として生じたものですので、特に1番の「利用可能エネルギーの不足」というのが一番の問題になるところですね。

 

引用元はこちらのページになります。

https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/column/woman/seichoki_handobook_5.pdf

もしよろしければ、こちらのページも見てみてください。

 

最後に

 

いかがでしたか?

女性アスリートの利用可能エネルギーの不足について、書かれている症例報告の文献を紹介させていただきました。

女の子の子どもをもつ親御さんや我々医療職も知識としてしっかり知っておかなければいけない内容ですね。

 

是非読んでみることをお勧めします。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 


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