こんにちは。
今回は、股関節後面の奥にある、深層外旋6筋と呼ばれる 主に股関節を外側に開く時に使われる筋肉のストレッチを紹介していきます。
ちなみに前回の殿筋編はこちらになります。
こういう筋肉が硬くなることで、腰や足に痺れや痛みが出たりすることもあるので、もしあれ?っと思った方がいれば是非下の①~⑤のストレッチをやってみてください。
では始めていきます。
目次
深層外旋6筋って?
その名の通り、股関節の奥の方にある、主に股関節の外旋する時に使われる6つの筋肉です。
その6つの外旋筋とは、梨状筋・上双子筋・下双子筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・大腿方形筋の6つです。
これらは主に股関節を外側に捻る(外旋)に作用するのですが、 それぞれ外旋以外に後ろに動かしたり(伸展)、 外に開いたり(外転)、 内側に閉じたり(内転) これらの働きを補助する役割も持っています。
詳細は下記の詳細の部分で説明してます。
外旋筋を図とともに見てみると(詳細なものと一緒に)
前回と同じように手書きです。 細かい事は言わないでください。笑
この骨模型は後ろから見たものになります。
梨状筋(赤い部分)

起始:S1・2・3およびS4前仙骨孔の間の仙骨の前面
停止:大転子上縁
神経支配:脊髄神経(L5〜S2)
作用:股関節外旋、外転、伸展
*近年梨状筋には内旋作用もあると報告されています。
股関節外旋は、股関節屈曲0°〜40°の間 股関節内旋は、股関節屈曲60°以上 股関節屈曲角度で内外旋の作用が変化するみたいです。
上双子筋(緑の部分)

起始:坐骨棘、内閉鎖筋腱の上部と一体化
停止:大転子内側面
神経支配:脊髄神経(L5、S1)
作用:股関節外旋、内転、伸展 大腿部を屈曲すると外転筋として作用
下双子筋(青い部分)

起始:内閉鎖筋腱の溝の下にある坐骨結節
停止:内閉鎖筋と大転子内側面 神経支配:脊髄神経(L5、S1)
作用:股関節外旋、内転、伸展 大腿部を屈曲すると、外転筋として作用
内閉鎖筋(黄色の部分)

起始:閉鎖孔の内表面および周辺骨の表面
停止:転子窩の上の大転子の内側面
神経支配:脊髄神経(S1〜S3)
作用:股関節伸展位だと外旋 股関節屈曲位だと外転
外閉鎖筋

起始:閉鎖孔内側
停止:大腿骨の転子窩
神経支配:閉鎖神経(L3、4)
作用:股関節外旋
大腿方形筋

起始:坐骨結節の外側縁
停止:大腿骨の転子間稜
神経支配:脊髄神経(L5、S1)
作用:股関節外旋、内転
最後に外旋筋の作用についてまとめると・・・
伸展:梨状筋、上・下双子筋
外転:梨状筋、上・下双子筋(股関節屈曲)、内閉鎖筋(股関節屈曲)
内転:上・下双子筋、大腿方形筋
外旋:梨状筋(股関節屈曲0°〜40°の間)、上・下双子筋、内閉鎖筋(股関節伸展位)、大腿方形筋、外閉鎖筋
内旋:梨状筋(股関節屈曲60°以上)
これらの作用を持っている事になります。 では本題のストレッチに入っていきたいと思います。
外旋筋のストレッチ
お尻の筋肉みたいに大きい筋肉ではないので、細かくは分けませんが、 いくつかのストレッチをする事で、全体を伸ばせると思います。
今回のストレッチはお尻の筋肉のストレッチの時にも行ったものもあるので、 お尻の筋肉と外旋筋一緒に伸ばせますね。
①

股関節を曲げて、さらに内側に持っていき、 膝の裏を両手で抱えて自分に引き寄せます。
②


ポイントは、身体は出来るだけ正面を向く事です。 膝を身体の中心まで持ってきて、その上に身体を覆いかぶせるようにします。
大丈夫な人はそのまま膝と胸をくっつけるくらいまで身体を倒してください。
③

ちょっとわかりずらいですね。
②の写真を参考にすると、前の足の膝を外に向くようにして足の裏を身体に対して真横に向けます。
その足の上に身体を覆いかぶせるようにします。 3つ目の写真のように足の上に身体を乗せるようにします。
④


左の図から右の図の体勢になります。
左図のように片方の足を膝のすぐ上にのっけて、そのまま乗っけてる足を地面につけるように倒していきます。
これもポイントは身体をしっかり正面を向ける事です。
あと、立ててる足をしっかり抱える事も大事になります。
この図だと右膝が立っているので、左手で右膝を抱えるようにして保持します。
ちなみに左の図のストレッチでも外旋筋の中の梨状筋という筋肉が伸びます。
⑤

なんか色が怖いですね。笑
座って体育座りみたいに膝曲げて、手は身体の後ろにつきます。
そのまま片方の足を内側に倒します。
このとき股関節を少し外に開くようにしたり、
内側に閉じてやると伸びる線維が変わってくるのでやってみてください。
だいたいどのストレッチも20秒くらいを目安にやってみましょう。
梨状筋障害について
ここまでだとお尻の筋肉と何が変わるの?
ってなりそうなので、 少し梨状筋の事について紹介しようと思います。
梨状筋は上記で紹介したように、仙骨前面から大腿骨大転子上縁に付着しています。
その下を坐骨神経という大きな神経が走っています。
図で表すとこんな感じ。

雑ですがこの黒い部分が坐骨神経だと思ってください。
ほとんどの人がこの梨状筋の下を坐骨神経が通っていきます。
しかし、この坐骨神経が梨状筋の中を通る解剖学的変異が人口の約10%に見られるといわれています。
図で表すとこんな感じです。

この坐骨神経が梨状筋の間を通る人に梨状筋障害と呼ばれる、障害になりやすいと言われています。
もちろん梨状筋の変異がない人でも梨状筋障害になる可能性はあります。
症状としては、殿部の梨状筋部の痛みや大腿後面や下腿に神経症状が現れます。
この障害の治療は、マッサージを行ったり、上記のストレッチを行う治療が主体になります。
これの診断がつく人はまれですが、なかなか痛みや神経症状が治療でよくならない場合なんかは、 一つの可能性として考えてみても良いかもしれません。
参考文献:臨床スポーツ医学 pp378
最後に
いかがでしたか?
今回は股関節外旋筋と呼ばれている筋肉のストレッチ、梨状筋障害について紹介しました。
外旋筋は腰部や殿部、股関節の痛みにつながるだけでなく、 梨状筋のように坐骨神経という大きい神経を圧迫して痛みを出してしまう可能性のある筋肉もある場所なので、 しっかりストレッチしましょう。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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