こんにちは。
近年Jリーグの移籍時期になるとよく目にする、「育成型期限付き移籍」
皆さんは、この「育成型期限付き移籍」とただの「期限付き移籍」の違いってご存知ですか?
自分も最初わからずなんだろう?ってかんじだったので調べてみました。
またそれに合わせて、「ローン移籍」「レンタル移籍」と違うの?同じ?ということも調べました。
もしわからない人は、この機会に知っていただければと思います。
興味ある方は、是非ご覧ください。
期限付き移籍(ローン移籍)とは?

簡単に説明すると・・・
選手が現在所属しているクラブとの契約を保持したまま、期間を定めて他のクラブへ移籍する制度です。レンタル移籍とも呼ばれますね。
通常の移籍(完全移籍)に見られる移籍金が発生しない代わりに、移籍先のクラブから移籍元のクラブに対してレンタル料を支払う、選手報酬(年俸)の支払いを肩代わりするという形態が一般的です。
要するに、所属しているクラブから、この期間だけあそこのチームに移籍してきていいよ見たいな感じです。
メリット
- 移籍先のクラブは、移籍金が発生しないため、安価な値段で有望な選手を獲得できる
- 移籍元のクラブは、選手の給料を負担せずに、有力な選手に経験を積ませることが出来る。
- 選手にとっては、試合経験を積めるチャンスをもらえる。
デメリット
- 保有権は移籍元のクラブにあることに加え、状況によってはシーズン途中で移籍元のクラブに戻ることもある。
- 移籍元クラブとの対戦では試合に出られないことがある。
- 期限付き移籍で補強したチームは、長期的なチーム作りという面では、マイナスになる可能性がある。
ローン移籍?レンタル移籍?
ちなみに海外のチームの選手が移籍する時に使われている言葉、
「ローン移籍」というのは期限付き移籍とほぼ同じ意味となります。
「レンタル移籍」この言葉も聞いたことがあるかもしれません。
この「レンタル移籍」、実は日本のみ使っている表現のようです。
海外では「ローン」という言葉が一般的になっています。
買い取りオプション付き?買い取りオプション無し?買い取り義務付き?
海外の選手が移籍する時によく、耳にする言葉かと思います。
買い取りオプション付き、買い取りオプション無し、買い取り義務等いくつか言葉が出てくると思います。
簡単に説明していくと・・・
「買い取りオプション付き」
シーズン終了後に移籍金を払ってその選手を獲得するかどうかを、移籍しているチームが決めることが出来ます。
その選手が、チームにフィットするのか本当に必要な選手なのかを見極めることが出来ます。
なので無駄な支出を最低限に抑えて、選手を獲得できるので、海外では最近多く用いられている移籍形態になっています。
「買い取りオプション無し」
これは選手を保有しているクラブが、今自分のチームでは出場機会が限られるが、あなたのチームにいけば、この選手は絶対活躍しますので、自信を持って貸し出します!!
というようなチームがこの選手は絶対に手放したくないという意思が感じられます。
今は選手層的に難しいが、数年後はチームがこの選手を必要としているというメッセージですね。
久保建英選手の移籍がまさにこれにあたりますね。
「買い取り義務付き」
これは、次のシーズンこの選手を買い取って下さい。というある意味移籍を前提とした移籍ですね。
近年耳にすることが多くなってきますね。
これは選手がそのチームでシーズン中何試合以上出場すると、買い取りが義務付けられるという約束をもって締結される移籍形態です。
活躍して、その選手が移籍金に見合う活躍が出来れば、何の問題もないのですが・・・
活躍出来ないと判断されると、義務が発生するぎりぎりまで出場させて、そのあとはメンバーにも入らないということが起きることがあります。
要するに、20試合出場したら買い取ることが義務付けられていたとすると・・・
この選手を買い取らないとチームが決めれば19試合出場した時点で、次の試合以降メンバーにも入らないという事態になったりします。
日本人では、浅野拓磨選手が一度そのような事態になったことがありました。
以上のように海外の期限付き移籍には色々な形態があることがわかっていただけたかなと思います。
ではよくJリーグで言われている「育成型」がつくことで何が変わってくるのでしょうか?
育成型期限付き移籍とは?

最初に言っておくと「育成型」という期限付き関の形式は日本独自のシステムになっています。
海外ではこのような制度はありません。
基本的には移籍する期間というのは決められており、
- シーズンが始まる前からシーズンが始まって約1ヶ月の間
- 夏場7月頃(この時期はヨーロッパに移籍する選手が出てきます)
基本的にはこの2つの期間に限定されています。
しかし育成型期限付き移籍は、条件さえ満たせば、この移籍期間外でも移籍することが可能になります。
その条件とは・・・
- 23歳以下の日本国籍を有する選手
- 所属するクラブのリーグよりも下部のリーグへの期限付き移籍であること
この2つを満たせば、移籍期間外であっても、育成型期限付き移籍として移籍させることが可能になります。
最近では育成型期限付き移籍は多くなってきている印象があります。
ただなかなか下位のリーグに期限付き移籍した後に元のチームで大活躍!!!といった選手は数少ないのが現状となっています。
では、今まで、期限付き移籍、育成型期限付き移籍をした後、戻ったチームで活躍した選手はどれくらいいるのでしょうか?
少し調べてみました。
期限付き移籍を経て移籍元チームの主力になった選手達
柿谷曜一朗(現セレッソ大阪)
セレッソ大阪➡徳島ヴォルティス(期限付き移籍)➡セレッソ大阪➡FCバーゼル➡セレッソ大阪
素行の問題からチームの構想外となり、2009年途中から2011年まで徳島へレンタル。そこでの経験が柿谷を本当の意味でのプロ選手として成長させた。
その後の活躍は、皆さんも知る通りです。
セレッソに復帰してからの2シーズンで公式戦82試合41ゴールを記録しています。
斉藤学(現川崎フロンターレ)
横浜Fマリノス➡愛媛FC(期限付き移籍)➡横浜Fマリノス➡川崎フロンターレ
2008年からの3年間で出場機会は限られたものであったため、2011年シーズン移籍を志願し、愛媛FCへ期限付き移籍した。
そのシーズンは、リーグ戦36試合で14ゴールをあげた。
2012シーズンからは横浜Fマリノスに復帰し、その後6シーズンにわたり横浜Fマリノスの主力選手として活躍。
その後2018シーズンから川崎フロンターレへ移籍し話題となりました。
中島翔哉(現ポルト:ポルトガル)
東京ヴェルディ➡FC東京➡カターレ富山(期限付き移籍)➡FC東京➡ポルティモネンセ(ポルトガル)➡アル・ドゥハイル(カタール)➜ポルト(ポルトガル)
香川に変わり現在の日本代表の10番を受け継いだ選手です。
アジアカップは負傷離脱して残念でした。
彼は東京ヴェルディからFC東京に移籍してすぐにカターレ富山に期限付き移籍しました。
その後活躍自体は正直微妙なものでしたが、ポルトガルへ移籍したことで、一気に才能が開花した選手です。
カタールへ移籍して半年で、ポルトガルリーグの1、2を争うチームであるポルトに移籍が決まりましたね。
しかも背番号は10番となりました。
期待の大きさが伺えます。
下の記事は以前ポルトガルで活躍していた時の彼のルーツみたいなものをまとめたものです。
宜しかったら併せてご覧ください。
今注目の選手!!ポルトガルで輝きを放ってる『中島翔哉』とは?〜なぜ日本で活躍できなかった彼がポルトガルで輝いているのか〜
中村航輔(現柏レイソル)
柏レイソル➡アビスパ福岡(期限付き移籍)➡柏レイソル
2015年に1年間アビスパへレンタル移籍し、その年アビスパのJ1昇格に大きく貢献した。
その後レイソルに戻りレギュラーポジションを獲得。2018年ロシアワールドカップのメンバーにも選ばれています。
白崎凌兵(現鹿島アントラーズ)
清水エスパルス➡カターレ富山(期限付き移籍)➡清水エスパルス➡鹿島アントラーズ
超高校級のFWとして鳴り物入りで清水に入団したが、結果を残せず、2013年、2014年と当時J2のカターレ富山へレンタル移籍した。
そこで身につけた守備意識や献身性が、彼の元々持っていた攻撃能力を開花させることになったようです。
清水に戻ってからは主力として戦い、ここ2シーズンは10番をつけてプレーしていました。
今シーズンは鹿島へ完全移籍を果たし、どんな活躍を見せてくれるのか楽しみな選手です。
杉本健勇(現浦和レッズ)
セレッソ大阪➡東京ヴェルディ(期限付き移籍)➡セレッソ大阪➡川崎フロンターレ➡セレッソ大阪➡浦和レッズ
セレッソ大阪時代に出場機会を得て、ロンドンオリンピックに出るために東京ヴェルディに期限付きで移籍していました。
結果18試合で5ゴールを記録し、ロンドンオリンピック代表メンバーに選出されました。
ロンドンオリンピックでは得点は奪えませんでしたが、現在日本代表FWとしても期待されている選手です。
長友佑都(現マルセイユ:フランス)
FC東京➡FCチェゼーナ(期限付き移籍)➡インテル➡ガラタサライ➡マルセイユ
2010年南アフリカワールドカップの活躍を経て、FC東京からACチェゼーナ(イタリア)に期限付き移籍を果たしました。
次の年に完全移籍を果たし、そのままインテルに期限付き移籍を果たすという、スター階段を一気に駆け上がりました。
堂安律(現アルミニア・ビーレフェルト:ドイツ)
ガンバ大阪➡FCフローニンゲン(期限付き移籍から完全移籍に)➡PSVアイントホーフェン➡アルミニア・ビーレフェルト(期限付き移籍中)
2017年6月に1年間の期限付き移籍でオランダのフローニンゲンへ移籍。
1年間で公式戦31試合10ゴールをあげて、見事完全移籍を勝ち取りました。
その後PSVより2020-2021シーズンはドイツのビーレフェルトというチームに期限付き移籍しています。
三好康児(現ロイヤルアントワープFC)
川崎フロンターレ➡コンサドーレ札幌(期限付き移籍)➡横浜Fマリノス(期限付き移籍)➡ロイヤルアントワープFC(期限付き移籍)
2018シーズン出場機会を求めて札幌に期限付き移籍。
26試合3ゴール5アシストを記録しています。
2019シーズンも横浜に期限付き移籍し、シーズン途中からベルギーへ旅立ちました。
板倉滉(現FCフローニンゲン)
川崎フロンターレ➡ベガルタ仙台(期限付き移籍)➡川崎フロンターレ➡マンチェスターシティ➡FCフローニンゲン(期限付き移籍)
川崎から仙台に期限付き移籍をしてリーグ戦24試合で3ゴールをあげました。
そのまま川崎へ復帰かと思いきや、まさかのマンチェスターシティへ完全移籍。
イングランドでの労働許可証はおりないので、そのまま堂安と同じチームFCフローニンゲンへ期限付き移籍をしました。
川辺駿(現サンフレッチェ広島)
サンフレッチェ広島➡ジュビロ磐田(期限付き移籍)➡サンフレッチェ広島
広島から磐田へ2015シーズンから3シーズン期限付き移籍をしました。
あの中村俊輔から代表に入ってもおかしくないと言われるほど磐田の攻撃を牽引していましたが、2018シーズンから広島に復帰。
広島に復帰してからは途中出場が多く昨シーズンはゴールも奪えませんでした。
未だ広島ではゴールをあげておらず、今シーズンは広島でのプレーする正念場と言えそうです。
乾貴士(現エイバル:スペイン)
横浜Fマリノス➡セレッソ大阪(期限付き移籍から完全移籍に)➡ボーフム➡フランクフルト➡エイバル➡ベティス➡アラベス(期限付き移籍)➡エイバル
マリノス時代にセレッソに期限付き移籍をし、当時香川とともにセレッソの攻撃を引っ張っていた。
その後セレッソに完全移籍で加入。
現在スペインで活躍しており、スペインでは通算120試合13ゴールを記録しています。
平戸太貴(現町田ゼルビア)
鹿島アントラーズ➡町田ゼルビア(期限付き移籍)➡鹿島アントラーズ➡町田ゼルビア
期限付き移籍していた町田で2018シーズン40試合8ゴール17アシストという結果を残し、鹿島に復帰しました。
しかし鹿島での壁は厚く、再び町田へ移籍することになりました。
町田では背番号10番をつけチームの中心として活躍しています。
最後に
いかがでしたか?
期限付き移籍と育成型期限付き移籍の違いはわかりましたか?
基本的には同じですが、移籍する時期を選ばなかったり、同一リーグ(J1➡J1)では移籍出来ないというのが「育成型」でしたね。
期限付き移籍で活躍した選手の紹介もしましたが、なかなかそうそうたる顔ぶれがそろっていたと思います。
期限付き移籍で活躍できることも、ステップアップしていくに当たって重要な要素になるということですね。
海外ではローン移籍というのですが、それでステップアップした選手が数多くいます。
今後も各チーム期限付き移籍で獲得する選手も出てくると思いますが、そういった選手の活躍も見逃せませんね。
2019年に期限付き移籍してステップアップした選手、もしくは今後しそうな選手をまとめました。
宜しければ、併せてご覧ください。
2020シーズンの注目選手もまとめましたので是非ご覧ください。
2019シーズンの各チームのフィジオセラピスト、トレーナーをまとめたものです。
2019シーズンから組み込まれたJリーグの新たなルールについてもまとめました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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